という内容の論文をSchwartzが書いている(Sur l'impossibilité de la multiplication des distributions).3ページしかなくて簡単なので読んでみた.定理は次の通り.
$\mathbb{R}$上の$\mathbb{R}$値連続関数からなる代数を部分代数として含む微分付き$\mathbb{R}$代数であり(ただし$C^{1}$級関数上微分は通常の微分と一致するとする),$x$($x\mapsto x$となる関数)が零因子である(つまり,ある$0\ne \delta\in V$が存在して$x\delta = 0$)ようなものは存在しない.
そのような実代数$R$が存在したとする.微分を$D\colon R\to R$で表す.$f(x) = x\log(x) - x\in R$とする.$(D^{2}f)x = D^{2}(xf) - 2D(f)D(x) - fD^{2}(x)$において,$D(x) = 1,D^{2}(x) = 0$であるから$(D^{2}f)x = D^{2}(xf) - 2D(f)$.$xf$は微分可能で,その微分は$2x\log(x) + x - 2x = 2f + x$なので,$D^{2}(xf) - 2D(f) = 2D(f) + D(x) - 2D(f) = 1$.従って$(D^{2}f)x = 1$となり$x\in R$は単元.従って零因子とはならない.
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