2015年11月2日

セミナー.Gan-Gros-Prasad予想の$U(n)\times U(n + 1)$の場合.$E/F$を数体の二次拡大,$V$を$n + 1$次元Hermite空間,$W\subset V$を$n$次元部分空間で$V = W \oplus W^\perp$となるものとし,$G = U(W)\times U(V)\supset H = U(W)$を考える.$\pi$をcuspidal automorphic representation $\pi$に対して,$P_\pi\colon \pi\to \mathbb{C}$を$P_\pi(\varphi) = \int_{H(F)\backslash H(\mathbb{A}_F)}\varphi(h)dh$で定義する.これがいつ消えるかを知りたい.他の$V',W'$をとって$G'$を同様に考えたとする.$G'$のcuspidal automorphic representation $\pi'$に対して$\pi$と$\pi'$がnearly equivalentであるとは,有限個の素点をのぞき$\pi$と$\pi'$が一致することである.$\Pi$を$\pi$の$\mathrm{Res}_{E/F}(\mathrm{GL}_n\times \mathrm{GL}_{n + 1})$へのbase changeとし,L関数$L(s,\Pi,\mathrm{St})$を考える.

定理は次の通り.ある素点$v_1,v_2$が存在していて,$\pi_{v_1}$はsupercuspidal,$\pi_{v_2}$はtemperedであるとする.このとき$L(1/2,\Pi,\mathrm{St}) \ne 0$とある$\pi$とnearly equivalentな$\pi'$(および$W'$)が存在し$P_{\pi'}\ne 0$は同値.条件としてさらに全ての無限素点で$E/F$は$\mathbb{C}/\mathbb{R}$とならないという条件を課しておくと,これはZhangにより示されていたらしく,今回は仮定を弱めたということのようだ.Jacquet-Rallisのrelative trace formulaというのがあって,$L$関数の消滅をはかる量と$P_{\pi'}$の消滅をはかる量が一致する.このことから,問題はtransferの存在に帰結される.Zhangはtransferが存在することを$E_v/F_v\ne \mathbb{C}/\mathbb{R}$を使って示していたけど,今回はそれより弱く「transferが存在する関数はdense」を示すことにしたそうだ.

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