たまには数学のメモ.
簡約群Gの中心ZGが連結ならば,fundamental coweightが存在する.Tを極大トーラス,Δを単純ルートの集合とすると,ZG={t∈T∣α(t)=1 (α∈Δ)}であるので,X∗(ZG)=X∗(T)/∑α∈ΔZα,つまり
0→α∈Δ⨁Zα→X∗(T)→X∗(ZG)→0
は完全である.ZGが連結ならば,X∗(ZG)は自由Z加群であるので,この完全系列は分裂する.その分裂をf:X∗(T)→⨁α∈ΔZαとし,f(x)=∑fα(x)αとすると,fα∈HomZ(X∗(T),Z)=X∗(T)で,fが分裂を与えているという仮定から,fαがαに関するfundamental coweightとなる.
一方,任意の簡約群Gに対して,中心が連結な簡約群G1とそれへの埋め込みG↪G1で,この埋め込みが導来群上の同型を与えるものが存在する(双対z拡大).実際の構成も簡単で,TをGの極大トーラス(実際にはZGが埋め込めるトーラスならば何でもよい)として,G1=(G×T)/ZGとすればよい.ただし,ZG↪G×Tはz↦(z,z−1)と定める.このときG1の中心は(ZG×T)/ZG≃Tとなることが容易にわかり,G1の中心は連結となる.
この場合,G1の極大トーラスT1に対して,分裂X∗(ZG1)→X∗(T1)を具体的に書くこともできる.T1はT1=(T×T)/ZGで与えられる.λ∈X∗(ZG1)=X∗(T)に対して,T×T→Gmを(t1,t2)↦λ(t1t2)と定めると,これはT1=(T×T)/ZG→Gmに落ちて,この対応X∗(ZG1)→X∗(T1)はX∗(T1)→X∗(ZG1)の分裂を与える.
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