この前のBhargavaの話でこんなんが出てきた.記憶とGoogle検索のみを頼りに書いているので正しいとは限らない.連分数
x=1+1+1+1+1+⋱1111
を考えてみる.収束することを仮定すれば値を求めるのは難しくない.この
1+1+1+1+1+⋱1111
赤くなっている部分が全体と同じなので,この部分をxに置き換えると
x=1+x1
となる.分母を払って整理すれば
x2−x−1=0
となるので,二次方程式を解けば
x=21+5
となる.黄金比ですね.
もちろんこんなことをRamanujanが考えた,という話ではない.(いや考えたかもしれないがこれだけで終わっては話題にならない.)次のような一般化を考える.
R(q)=1+1+1+1+1+⋱q4q3q2q
今計算したのはR(1)というわけだ.しかしこうなると
1+1+1+1+1+⋱q4q3q2q
の赤い部分はもうR(q)と同じじゃないので,さっきみたいには計算できない.Ramanujanはこんなことを言ったようだ.俺はR(e−2π)を計算できる.答えは
R(e−2π)=1+1+1+1+1+⋱e−8πe−6πe−4πe−2π=⎝⎛25+5
+21+5
⎠⎞e−2π/5
だ.もうなんかこの式一つですごい.(ちなみにKaTeXの例としてこの式がある.)実はR(e−πr
)を正の有理数rに対して計算できるぜ,とも言ったそうだ.なお,この値は殆ど代数的数になる.正確にはR1(q)=R(q)q−1/5とおくと,正の有理数rに対してR1(e−2πr
)は代数的数になる.
ネタばらしとしては,このR1(q)はレベル5のモジュラー関数のq展開を与える,ということらしい.なので,虚数乗法論からR(e−2πr
)=R1(e2π−1
−r
)は代数的となり,Q上の二次拡大のAbel拡大を与える,ということのようだ.たとえば上のR1(e−2π)はQ(−1
)のAbel拡大を与える.まぁでもRamanujanはそういうことは言ってないんでしょうが…….
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